ファクトフルネス-私たちは世界を正しく見ていない!

本当に大切なことを教えてくれる本

話題の書、『FACTFULNESS (ファクトフルネス)』を遅ればせながら読了しました。積読本がたまっていてなかなか読み始めらなかったのですが、読み始めたら一気に引き込まれました。いやあ、いい本です。もっと早く読めばよかった。本当に大切なことを教えてくれる良書なので、多くの人、特に若い人には読んでほしいと思います。ビル・ゲイツ氏は2018年にアメリカの大学を卒業した学生のうち、希望者全員にこの本をプレゼントしたのだそうです。素晴らしい!

この本は絶対読んだ方がいいと思います!これから社会に出る若い人は特に。

私たちが囚われている思い込み

インタビューをするときのマインドセットとして「自分の中にあるバイアスをなるべく排除して人の話を聴く」「なるべくファクトベースの問いかけをする」といったことを心がけてきたつもりでした。でも、この本を読んで自分が多くの思い込みに囚われていて、世界に対する見方が全くアップデートされていないことに気づかされました。修行がまだまだ足りません。

以下、本の中で語られている私たちが囚われている10の思い込みです。
 1.分断本能…「世界は分断されている」という思い込み
 2.ネガティブ本能…「世界はどんどん悪くなっている」という思い込み
 3.直線本能…「世界の人口はひたすら増え続ける」という思い込み
 4.恐怖本能…危険でないことを、恐ろしいと考えてしまう思い込み
 5.過大視本脳…「目の前の数字がいちばん重要だ」という思い込み
 6.パターン化本能…「ひとつの例が全てに当てはまる」という思い込み
 7.宿命本能…「すべてはあらかじめ決まっている」という思い込み
 8.単純化本能…「世界は一つの切り口で理解できる」という思い込み
 9.犯人捜し本能…「誰かを責めれば物事は解決する」という思い込み
 10.焦り本能…「いますぐ手を打たないと変なことになる」という思い込み

「ネガティブ本能」や「恐怖本能」は本当に自分の中で「あるある」だと思いました。
「世界では戦争、暴力、自然災害、人災、腐敗が絶えず、どんどん物騒になっている。金持ちよりはより金持ちになり、貧乏人はより一層貧乏になり、貧困は増え続ける一方だ。何もしなければ、天然資源ももうすぐ尽きてしまう」こんなドラマチックすぎる世界の見かたを私も確かにしていました。

これらの思い込みに囚われていたハンス・ロスリング氏自身の人生のエピソードも本の中で随所に語られていますが、終盤に医師として最大に後悔しているであろうエピソードを告白している下りは本当に胸に迫るものがありました。

ハンス・ロスリング氏の遺志

ハンス・ロスリング氏はビジュアル化した統計数値を使って世界の正しい見方をわかりやすく伝えるTED動画をたくさん残していますが、2014年のオーラ・ロスリング氏との父子共演はこの本とリンクする内容で併せてみると理解が深まります。

ハンス・ロスリング&オーラ・ロスリング「世界について無知にならないために」 – TEDカンファレンス、2014年4月

ハンス・ロスリング氏は2017年の2月に末期のすい臓がんで亡くなっています。 『FACTFULNESS (ファクトフルネス)』 は余命宣告を受けてからすべての予定をキャンセルして共著者である息子夫妻(オーラ・ロスリング、アンナ・ロスリング・ロンランド)と書き上げたものだそうです。3人で設立したギャップマインダー財団 のサイトを見ると「Why we wrote Factfullness」という動画の中で人生最後の仕事に全精力をかけて取り組んでいた在りし日のハンス・ロスリング氏の姿を見ることができます。氏は本の出版を待つことなくなくなりましたが、『FACTFULNESS (ファクトフルネス)』 は24言語で世界各地で出版されて、その遺志は脈々を受け継がれていくことになるのでしょうね。

ギャップマインダー財団サイト 『Why we wrote Factfullness』

謙虚さと好奇心をもって、心穏やかに

最終章で「何よりも謙虚さと好奇心を持つように子どもたちに教えよう」というメッセージがありました。そして、謙虚さについてこう続きます。

「謙虚であるということは本能を抑えて事実を正しく見ることがどれほど難しいかに気づくことであり、自分の知識が限られているということを認めること。堂々と”知りません”と言えること。新しい事実を発見したら、喜んで意見が変えられるということ。 謙虚になると心が楽になる。何もかも知っていなくちゃというプレッシャーがなくなるし、いつも自分の意見を弁護しなければと感じなくていい」

次に好奇心についてはこう述べられています。
「好奇心があるということは新しい情報を積極的に探し、受け入れるということ。自分の考えに合わない事実を大切にし、その裏にある意味を理解しようと努めることだ。”どうしてそんな事実も知らなかったんだろう?この間違いから何を学べるだろう?あの人たちはバカじゃないのに、どうしてこんなことをしているんだろう?”と考えてみること。好奇心を持つと心がワクワクする。好奇心があればいつも面白いことを発見し続けられる。」

謙虚さと好奇心。これは子どものみならず、私もこれからの人生で意識したいと思いました。謙虚で好奇心に満ちたおばあちゃんを目指します(笑)

根拠のない恐怖や様々な思い込みに囚われて後ろ向きになったり、心を冷やされたりすることは、目の前の課題を解決するのに全く役立ちません。ファクトフルネスを実践することで「世の中もそれほど悪くない」と思える。心穏やかに、ストレスなく誰もがより生産的なことに情熱を傾けられるようになる。そんなハンス・ロスリング氏が人生の最後に魂を込めて伝えてくれたことを大切に心にとどめておきたいと思います。

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