顔の見えないオンライン・インタビュー

カメラ無し 表情の見えないオンラインインタビュー

ビデオカメラOFFの従業員インタビューを実施しました

3月から4月の前半に実施予定だったインタビュー調査(オフライン)の案件はすべて中止となり、オンラインでの実施も検討されながらもなかなか成立しないという状況でしたが、4月下旬から少しずつオンラインでのインタビューが成立し始めています。
その中にビデオカメラをOFFにして行う従業員の方を対象としたインタビュー案件があり、いろいろと気づきがありましたので、ティップスとして記しておきたいと思います。
内容としてはその企業のCI戦略について素案段階でいくつかの方向性のプロトタイプを提示して従業員の方からのフィードバックを得るという目的のものでした。

相づちのタイミングが難しい!

ビデオOFFというのはつまり、「お互い顔が見えない」ということです。
普段のインタビューではインタビュイー(インタビュー対象者)の表情やボディランゲージなどの非言語情報を手掛かりに会話の間合いを合わせて、話を引き出していくのですが、それができない。
そうなると、相手がまだ発言の途中で次の言葉を発しようといるタイミングなのに相づちを打って声が被せてしまうことになったり、次の問いを発してしまったりということが起きます。そうなると、せっかくインタビュイーが言おうとしていたことを、「あ、別に大したこと言おうとしていたわけじゃないので、いいんです」と引っ込めさせてしまう。
「ああ、これはまずいわ」と思って、自分が「今ここで相づち」、「今ここで次の問い」と思ったタミングですぐ言葉を発さずに1,2拍呼吸を置き、相手の表情を想像して息を合わせる感覚をもつように心がけました。
全体のタイムマネージメントもあり、その1,2拍を待つのが気が急いて難しい場面もありましたが、心構えとしてはそれくらいのスタンスで臨んでちょうどいいということを今回体感しました。
これはカメラONであっても意識した方がいいポイントかもしれません。表情自体はやはりリアルのインタビューに比べると圧倒的に読み取りにくいですからね。

提示素材の画面共有は念入りにリハをする

今回のインタビューは全編パワーポイントの画面共有で順番に提示物を見てもらいながら進めました。
いくつかの提示物が最初は別々のファイルになっていましたが、事前にリハーサルをした結果、複数のファイルの画面共有はその作業に注意力を奪われるとインタビュイーの話に集中できなって、それまで聞いた話を記憶しておく短期記憶も失われるということが良くわかったので、一つのファイルにまとめました。
冒頭のところには協力に対する感謝など、ラポールにつながるようなメッセージを配したり、 次の提示物がすぐに見えてしまわないように幕間になるようなスライドを加えたりといった工夫を凝らしました。
また、オーダーバイアスを避けるために提示物の提示順序をインタビュイーごとに変える調査設計でしたので、個別に提示ファイルもカスタマイズすることになりました。
本番でインタビューに集中するためには、動作確認的なリハーサルなどの準備を念入りに行っておくことが大切だなと痛感しました。

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