インタビュー調査の場でもOARR(オール)は有効
OARRを明示すると、話しやすい場ができる
会議やワークショップの冒頭で参加者に明示して共有すべきものとして下記の4つの要素、“OARR(オール)”のお話を先日来からしています。
●“O”⇒Outcome(求める成果、目的とゴール)
●“A”⇒Agenda(議題、大まかなスケジュール)
●“R”⇒Role(その場を構成する各自の役割)
●“R”⇒Rule(参加にあたっての約束ごと)
良かったら、こちら↓もご参照ください。
話し合いの場づくりで大切な“OARR(オール)”
異論歓迎!思ってもいない同調を安易にしない !
実はマーケティングリサーチにおける定性調査(グループインタビューやデプスインタビュー)においても最初の趣旨説明部分でこの“OARR(オール)”の要素を押さえることは有効だと感じています。
仮にあるカテゴリーのあるブランドの広告案を評価してもらうグループインタビューを想定すると…
●“O”⇒Outcome
「今日はお忙しい中お時間を取っていただいてありがとうございます。皆さんが日ごろよく利用されている○○のあるブランドの広告のアイデアを見ていただいて率直に感じるところをお話しいただきたいと思います。皆さんのお話は個人情報を伏せた形で発言内容のみ参考にさせていただき、企業の広告制作に参考になるようなレポートにさせていただきます」
●“A”⇒Agenda
「最初に皆さんに簡単に自己紹介をいただいて、皆さまで○○について少しお話いただいた後で、広告案を見ていただきたいと思います。」
●“R”⇒Role
「私はいろいろな商品やサービスについてこのようなインタビューを専門に行っている者ですので、今日ご覧いただく広告案のブランドの関係者ではありませんし、広告案の制作にもかかわっておりません。第3者の立場で皆さまのお話をうかがいます。皆さまは○○を使っている個人として、感じるところを率直にお話しいただけけるとうれしいです。」
●“R”⇒Rule
「お話しいただくことに正しいとか間違っているとかありません。皆さん○○を使っている方と言ってもいろんな感じ方があって当然ですので、いろいろな感じ方や見方の違いを楽しみながらお話ししていきましょうね」
といった形になります。
時間にして2,3分です。
これを無くして
「皆さん、今日はお集りいただいてありがとうございます。今日は忌憚のないご意見をお話しくださいね。では自己紹介から始めましょうか。…… 次に○○について知っているブランドを答えてください。どれくらいの頻度で○○を買いますか。…ではこれから広告案をお見せします。…印象はいかがですか。」
などと質問を重ねていくだけだと、この場がどんな場で自分に何が期待されていて、どんなスタンスで話をしていいかわからないためにインタビュー対象者は様子見モードになり、無難な話や他者への同調に収まりがちになってしまいます。
率直な本音を話しやすい場をつくるためにはそれに適したOARRを明示することが有効なのです。