今年初めてのグループ・インタビュー

2020年は男女8人から

寒中お見舞い申し上げます。
本年もよろしくお願いします!

2020年なんて遠い先と思っていましたが、
あっさり突入してしまって、もはや1月も下旬ですね。

年が明けて初めての現場は
成人の日を含む3連休に実施された海外の企業がクライアントさんのお仕事で
男女混合8人グループの2時間30分のグループ・インタビューでした。

仕事のスケジュールがかなり過密だった年末の疲れがでたのか、
年始に風邪をひいてしまって、
その名残で当日はまだのどの調子が今一つでした。
そこに男女混合の2時間30分はなかなかハードでした。

日本企業の依頼の場合には男女混合をあまりやりませんし、
グループの人数も6人までというが一般的です。
テーマに対する関与度さえ高いグループなら男女が混じっても、
かえって活発で面白い会話になることもあるのですが、
8人という人数となると、
グループ・インタビュー・ルームの空間を考えても人が多すぎて、
わさわさ落ち着かない雰囲気になりそうなのが心配でした。

大切なのは『心理的安全性』

モデレーションの戦略を練るにあたって、
どれだけ早い段階でグループの1人1人が不安や恥ずかしさを払拭し、
過度に空気を読みすぎることなく、率直に自分らしく語ってもらえるか?
まさに最近バスワード化している感もある
『心理的安全性』ってやつなんですが、
それを担保する場を形成できるかが肝と考えました。

どのインタビューの場でもそれは大切で、
常に意識しているわけですが、
初対面の男女混合の8人グループとなると、
難易度は高くなります。

その上、のどの調子が悪い中での2時間30分の長丁場なので、
なるべく言葉少なめにそういう場をつくりたい!

アイスブレイクとしての自己紹介のやり方を工夫

そこで、工夫したのが自己紹介です。
自己紹介のお題は名前と他に2つの質問が指定されていたので
内容は変えることができませんでしたが、
最後のお題はその人の人となりが出る良質な問いでした。

考えた末に、
そのお題を黒のプロッキーの太字の方で見やすく書いて、
パステルカラーのプロッキーの枠線で囲んだA3の紙を準備しました。

「最初に簡単な自己紹介をお願いします」とお題発表。
「では、皆さんお願いしますね」とテーブルの真ん中にお題の紙をポンと置きます。

皆さん、「へ?」って顔をなさってこっちを見ます。

「ここのお題の紙を置きますから、
準備のできた方からこの紙をもって自己紹介をお願いします。
終わったら、紙を真ん中に戻してください。
その次に準備できた方も同じようにお願いします。
8人の方の自己紹介が終わるまで、
私は黙ってここで聞かせていただきますね」
と申し上げて、その後は本当に黙って待ちます。

必ずどなたかが
「じゃあ、私から」
と先陣を切ってくださいます。

その方の自己紹介が終わったら、満面の笑みで拍手をしますが、
私の方から次を促す言葉は発しません。
次は誰かしら? 楽しみだなという気持ちを込めた
まなざしで黙って見守ります。

すると、
皆さん大人なので
お題の紙をテーブルの真ん中から手に取って
自己紹介をつないでくださいます。
2人同時に紙に手が伸びる時もありますが、
お互い譲り合ったあと、一方の方が
「じゃあ、すいませんお先に!」
と自己紹介をし、終わったら
「どうぞ」と順番を譲ってくれた相手に紙を渡したり…

最初男女8人が会場に集まった時にはかなり堅い雰囲気でしたが、
自己紹介が一巡した頃には場はかなり和んでいました。
端から順番に自己紹介してもらうのとは全然違ったと思います。

「司会者が丸投げしてくるので自分たちで自己紹介をコンプリートするしかない!」
この場の設定が協働意識を生み、互いの心理的距離を近づけるのに
功を奏したところがあったと思います。

また、用意したお題の紙は
テーブルの真ん中に置いて
話す人が手に取るというルールで
トーキングスティック的な役割を果たしましたし、

お題が見える化されているので
「お題、なんでしたっけ?」っていう質問もゼロ。

その上、自己紹介する人にとっても紙を持って話すと
他の人の視線が紙に集まり
緊張感が緩和されるという利点もあるようでした。

私ののども後半に向けて温存することができました。

とはいえ、今まで以上に健康管理とのどのケアには
気をつけなればいけないなと痛感した
今年の初グループ・インタビューでした。




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